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カモン カモンのすのネタバレレビュー・内容・結末

カモン カモン(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

危うくて、拙くて、悩ましくて、でもとても温かい時間。ポロポロ泣きながら観た。

隠れて、別人を演じて、わがままを言って、それでも受け入れてほしいという我儘ないじらしさは、当人たちからしたら負担で。振り回され、時に腹立たしさを覚え、ぶつかって喧嘩する。
それでも最後は受け入れて側にいてくれる存在がいることは、当たり前なんかじゃないと、積み重ねた時間の愛おしさを感じさせてくれる作品だった。


幼い頃、伯母の家に泊まったり、遊園地に連れて行ってもらったことを覚えている。その事実は覚えているが、どんな会話をしたのか、どんな時間を共有したのかは全く覚えていない。私にも愛おしい時間があったのだろうかと、過去に想いを馳せてしまった。そしてそのうち、私が「覚えている」立場になるんだなと、未来に楽しみが増えた。
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