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カモン カモンのtakashiのレビュー・感想・評価

カモン カモン(2021年製作の映画)
4.5
ラジオ・ジャーナリストのジョニーは妹の子どもであるジェシーを預かることとなる。

妹のヴィヴとは母親への介護や、ヴィヴの夫との関係などここ最近は微妙な関係性となってるジョニーだった。

9歳のジェシーと一緒に過ごすこととなったが、とにかく手を焼くジェシー。
会話は成立しないし、ふざけてほしくないところでふざけるし、急に真面目な質問をしてくるし、急に外で姿を消すし。。。
聞いてほしくないことをズケズケと聞いてくる始末。

アメリカ各地で子どもたちのインタビューをしているジョニーだが、ここまで身近に子どもと接することはなかったこともあり、戸惑いやいらだちを隠せないことも。

だがそんな日々を過ごす中でジェシー自身が抱える悩みや、両親への様々な思いを感じ取ることがあり、またジェシーとの会話を通じてジョニー自身の気持ちを自ら見つめ直すことで、二人の関係に不思議な絆が生まれてくる…

自然体の子どもの振る舞いを通じて、主人公がいろいろなことに気付かされてゆくという王道感のある展開だが、とにかく演者たちの演技が非常に自然で、見ていて胸にスッとはいっていく内容。

二人の友情も燃え上がるようなこともなく、伯父と甥という距離感のある関係性はラストまで微妙に続く。
ただその中にもお互い辛い立場のなかで乗り越えた二人だけにしか分からない小さなつながりがラストにしっかり表現されているところも、とにかく違和感がなく素晴らしかった。

ラストのシーン、離れた場所で二人がつながりを感じる場面はセントラルステーションを思い出させる。
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