さき姐

ミッドナイトスワンのさき姐のレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
-
ちょっと首をひねるというか…

いわゆるLGBTの描写が結局は「不幸なオカマ」に行き着いてるし、こういう話10年は前に流行ったよね、何回も見たことあるけど、なんで絶賛されてるの? なんて思ってしまったのですが、時代が進んできてLGBTが"流行って"も(このひどい言い方、もし自分が悪意なく無意識にしてしまっていたら、と思うと、ものすごく身につまされる)LGBTを取り巻く状況はさほど進化してないってことでもあるので、その点ではやたらに"正しく""クリーン"で"フラット"な映画が溢れた2020年にこういう話を作った意味はあるのかもしれないと思いました。
なので映画としては見飽きたタイプの話だけど、そこがミソなのかもしれない、と思うことにします。だって現実は映画のように進歩するとは限りませせんから。

ただこれ、LGBTうんぬんもあるけど、根本は「親」についての話だと思うし、さらに「才能」だとか、もっともっとテーマはあるので、良く言えばたくさん掘り甲斐のあるテーマがつまってる、悪く言えばいろいろ集めてきて感動話に見えるようにパッチワークしてみた、て作品に感じてしまいました。

それでいうと、りんちゃんの話、掘りたいです。りんちゃんも親に苦しめられた子でもあるし、映画のもうひとつの主役、バレエの闇の部分を体現するのがりんちゃんなわけで。
アレルキナーダのあの幸せいっぱいのかわいいかわいいバリエーションで飛んでいった彼女がいちばん印象的でした。

みんな、りんちゃんも難役だぞ。
さき姐

さき姐