デヒ

ミッドナイトスワンのデヒのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

女性になりたがっているなぎさがアル中の妹の娘なぎさを短期間面倒を見ながら変わっていく物語。
なぎさといちかの母親と娘を連想させる姿が良かった。

試みのよかった映画。
個人的にLGBT系の映画を観ようとしていて、その映画たちをあえてLGBTと名称するより「少数者の成長ストーリー」と表現する方だが、この映画はLGBTの特色が良く表現された映画だと思う。
音楽がとても良くて最近もよく聞いているのだが、過度な音楽の使用でわざと感情を誘導することと物語の不親切な流れで興味を失ってしまう瞬間もあったが、最後の海の場面では大泣きした。全てはこの海の場面のための段階だったかもしれないと思った。
しかし、なぎさが女性になるための手術を切望してきたことは理解できるが、あまりにもリアルに描いたのではないかという気がする。もう少し抽象的に描いていたら目をそらさなくてもよかったのに…。 という気がする。

映画を観ながら韓国のCho Hyunhoon監督の映画『JANE』を思い出した。同じく性少数者の男性と高校生の関係性を描いた作品であり、性少数者して社会を見つめる視線を込めた映画である。(監督が性暴力をやったことがあって日本で公開されたことはない作品だが、とてもいい映画ではあった。)
私の場合、『JANE』を先に観てから『ミッドナイト・スワン』観たので、似ている場面で慣れながらも、日本の監督の性少数者を見る見た目が伝わって新鮮さを感じた。いちかのバレーという夢とそれを見つめるなぎさがあまりにも美しかった。そして、なぎさといちかの環境があまりにも悲しくて泣いた。
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