ムーミーコロコロ

ミッドナイトスワンのムーミーコロコロのレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
3.4
いろいろ話題になった作品。ずっと見たかったので、今回初挑戦。正直言うと、そこまで入り込めなかった。たしかにいい作品だと思う。草彅剛の演技も献身的でよかった。でも、なにか違和感を感じてしまって…。

たしかにマイノリティーはまだまだ世間的に受け入れられていないところが多くて、厳しい面もあると思う。でも、本当にそうなんだろうか。同じような職業で活躍されているマイノリティーの方たちはみんなあのように暗くて、つらくて、自信のない暮らしをされているのだろうか。「どうして私たちだけがこんな苦労をしなくちゃいけないの?」って泣き叫んでいるのだろうか。映画なので多少大袈裟に描かないと作品にならないというのはよくわかるんだけど、それが作品全体を始めから最後まで流れ続けているので、すごく違和感を感じる。監督は、そこを強調することでこの作品をより心に響くものにしたかったと思うのだけど、私のようにひねくれてる者には違和感となってしまった。リアルなマイノリティーの方々に失礼なんじゃないかなと思ってしまった。すみません、ひねくれてて。

それと、もう一つは、一果の心の中。本当の母と凪沙との間で揺れ動く感情がいまいち伝わってこなかった。なぜ、コンクールの時に「お母さん」って言ったのか。なぜ、高校卒業まで故郷で暮らしたのか。なぜ卒業とともに東京に出ようとしたのか。いえ、その流れは分かるんですけど、それはあくまでも一果サイドの話で、なぜその間凪沙があんなになるまで放っておかれたのか。なにか自分だけ良ければ…っていう感じがして、そこがちょっと…。

全体としてきれいにまとまっていて、特に草彅剛の一果を思う気持ちがとても伝わってきて、いい作品だと思うんですけど、そこに甘えて、他の人物の感情の描写が雑な気がしてしまいました。あくまでも、ひねくれ者の感想です。ごめんなさいm(_ _)m