監督のスタンスが鼻につくところはあれど、トランスジェンダー女性の当事者の痛みを懸命に描こうとした良い作品だと思う。
実際に、世界中でLGBT当事者の自殺率は、そうでない人間よりも著しく高く、特にトランスジェンダーの人達の自殺率、希死念慮は一段と高いというデータがある。今どき手術の失敗であんなに、とかそういう見方はあるんだろうけど、当事者が身体的侵襲性がすごく高い手術であることには変わりは無いし、リスクも費用もめちゃくちゃ高いのは事実。そんな当事者の苦しみは、多少誇張的な描き方をしないと残念ながら社会の無関心層、マイクロアグレッションをしてしまう人達には響かないとも思う。
草薙くんと服部さんの演技が素晴らしかった。演者みんな素晴らしかったなあ。見ててしんどいけど、多くの人が見て受け止めるべき重い映画。
