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ミッドナイトスワンのメイプルのレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
5.0
最期の瞬間、
凪沙は至福の表情だったと思う。

踊る一果を見ながら
(見えない眼で見えていたのだ)
「あぁ綺麗」と繰り返し、
もう一果は大丈夫だと確信し、
安心し、
穏やかな表情で、
幸せだったのだ。

その究極の無償の愛に
涙が溢れて止まらなかった。


《追記》
2020年9月27日
TOHOシネマズ六本木ヒルズにて
舞台挨拶付き上映を観た。

非常に中毒性のある映画だ。
映画は、前情報を入れずフラットな状態で観るよう常々心掛けている。そのため「ミッドナイトスワン」を初めて観た後は未だ分からない部分、補完できない部分が有り、でも分からないまま、ただただ涙は頬を流れていた。この涙は何の涙なのか分からないまま泣いていた。凪沙さんが可哀想・・・みたいな単純な涙ではない、悲しいのか嬉しいのかも分からない、巧く言葉に出来ない感情が渦巻き、だから客席を立つことが出来ない人が続出しているのではなかろうか。だから何度も何度も追いスワンしたくなる人が続出しているのではなかろうか。非常に中毒性のある映画だ。
やばい、とんでもない物を見てしまった…・・って感じ。
内田英治監をはじめ、スタッフやキャストがSNSで広報活動に頑張ったせいか、とても幅広い層にまで拡散されており、その人たちが実際に映画を観て、その感動を拡散するという現象が続いており、拡散が止まらない感じ。映画は、そんな感じでクチコミ的に拡がっていくのが理想的だと思うので、とても良い現象だと思う。
結構衝撃の描写も結構あったのに、観賞後まったく嫌悪感が残らないくらい美しく昇華した草彅剛の圧倒的な演技と存在感は、流石としか言いようがない。
脇を固める共演者も皆素晴らしい。服部横咲は言わずもがな、水川あさみ、田口トモロヲ、真飛聖も良かった。個人的には一果の友達りんを演じた上野鈴華が印象に残った。
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