カルロスあきお

ミッドナイトスワンのカルロスあきおのレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
4.1
Netflixで鑑賞

「碁盤斬り」を観て草なぎ剛さんの過去作の代表作を観たくて鑑賞。

トランスジェンダーの凪沙とネグレクトを受けた一果。分かり合えない2人が少しずつ親子のような関係を築いていく、、、

題材がとても難しいですが、自分なりの感想を書きたいと思います。

まず、草なぎ剛さんが今作で日本アカデミー賞を獲られたが、言わずもがな素晴らしすぎました。
"凪沙"という難しい役柄を"演じる"というより"草なぎ剛さんが凪沙そのもの"くらい演技を超えたものを感じました。

心は女性、体は男性で周りが理解し難い苦悩を描かれていて、その苦悩するシーンはなかなかに辛いものでした。
「どうして、私だけ、、」
このシーンが1番脳裏に残るセリフでした。

一果役の服部樹咲さんはエンドクレジットで新人と書かれていましたが、そんなことを感じないくらい素晴らしい演技でバレエのシーンも、元々やられていたそうでとても綺麗でした。

ふたりが少しずつ理解し合い、良い関係性になっていく反面、お金がより必要になり凪沙は風俗の仕事を試みたり、男性の格好で仕事するシーンも愛を感じる反面、複雑な気持ちにもなりました。

個人的に衝撃だったのは同じバレエ教室にいたりんちゃん。
裕福な家庭だったが、家族にちゃんと愛されてない感じで一果がうまくいく中で、怪我をしてバレエができなくなった後がなかなか衝撃のラストで一瞬思考が停止しました。

最終的に、凪沙が歩んでいく結末があまりにも辛く、体も女性に近づいていき一果と生活できるはずだったのにと、、ジンワリさせられました。

エンドロールが短く感じるくらい、観た後の余韻がすごく複雑な気持ちになりましたが、間違いなく観て良かったと思える、映画として素晴らしい作品でした。