りた

ミッドナイトスワンのりたのレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
4.0
こんなに深い愛、初めて観た……。

上映中からとても気になっていた映画。
かなり衝撃的だった。私の中で忘れられない映画になった。

草なぎ剛さん演じる凪沙の引力が凄まじい。すごい演技だった…
“演じる”という点でこんなに感動したのは初めてかもしれない…と思うほど。
鑑賞後も引きずるほどの没入感があった。
女性に見えるかと言われると大きく頷けるわけではないのだけど、それでも凪沙には圧倒的な美しさがあった。

美しさで言うと、一果役の方のバレエシーン。あどけない少女のようであったり、白鳥のようであったり。映画の中の演技だけでなく、ステージ上での演技まで素晴らしかった。
小学生の頃にバレエ習わせてもらっていたけど、手足の長さも運動神経も足らなかった私には一果の溢れる才能が羨ましく思えた。

LGBTという、面接官の言葉を借りるなら「流行ってる」テーマ。それをここまでセンセーショナルに取り上げる必要はあったのか?という議論。
やりすぎ、と感じる方もいるだろうなぁと思った。
でもここまでの描き方だからこそ多くの人の目に留まる作品になったのかもしれない(こういう描き方でなくてもそれを叶えられる方法もあるのかもだけど)。

↓以下ネタバレ↓





屋上でりんと一果がキスするシーン、
キスする前のりんと一果の会話はあくまで友達の会話と思えるのに、雰囲気が言葉にはできない恋愛感が漂っていて。
あれ、この2人急に恋人同士になった?みたいな。
印象的。

あと、実花先生が凪沙のことを「お母さん」と呼ぶシーン。こういう無意識の何気ない対応に救われる瞬間が少なからずあるよなぁ。
りた

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