メジャーな俳優がトランスジェンダーを演じるのか、どんなもんかな?と軽い気持ちで観るとダメージを喰らう衝撃作。その衝撃は切なさと優しさと哀しみで出来ている。よく役者に新境地という言葉を使うけど、この草彅剛生半可な新境地じゃなかった。ドキュメンタリーを見ているような生々しさ。生活の匂いまでしてくるようなリアル。いとこの娘の面倒を見ることになった主人公凪沙がそこから思わぬ運命に導かれる、1人の女性の愛情物語。この愛が深くて切なくてやり切れない。草彅剛の目がそれを余す所なく伝える。この作品を観て自分の知ってる世界はなんてちっぽけなんだろうと思い知った。とにかく多くの人に見てもらいたい深い作品です。あと一果役の服部みさきさんが良すぎました。飾りではないバレエ場面も素晴らしいです。