自分の生活圏には居ない登場人物ばかりなのに、各々の生き様に、自分の奥底にある痛みをえぐり出される。性別、血縁、貧富、職業。人間は皆無数の差別に晒されている。宿命、運命、過去、未来。自らの努力やお金ではどうにもできないこと、誰かの助けがあってもどうにもならないことがある。それでも生きるために、誰かと一緒に居たり夢を託せたりできたらもう少し幸せになれそう、と思えた。
男の骨格と声をそのままに、仕草や身のこなし、表情でトランスジェンダーを演じる草彅さんから眼が離せず、その他全員の演者さんも、主役2人を纏うような空気で、最後まで一生懸命見た映画でした。沢山のことを考えさせてくれる作品です。