カリントウもぐもぐ星人

ミッドナイトスワンのカリントウもぐもぐ星人のレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
4.3
確かな絶望を仄かな希望で誤魔化し生きるのは、心地よいドラマチックでいてその実虚しく息苦しい。

昨今創作物で描かれる事の増えたLGBT。特別難しい問題と思われがちだが、それは一般的に「普通」とカテゴライズされる人々にも共通する悩みである。
悩みが肥大化したが故に手に負えなくなっただけである。
本当は無駄に囃し立てるものではない。

今作は人間を描きながらも、ドラマを意識した創作物然とした作品であった。
細かなところに設定が生かされている。
なぎさが「お母さん」と認識され始めたシーンなどは一見感動的。
私はどうしても虚しく感じて、心が苦しくなってしまった。
それ程に繊細。残酷で不甲斐ない。

らしいドラマチックが目立つものの、人間模様として衝撃的な完成度であった。
また見たい作品。