このレビューはネタバレを含みます
爺さんブルブルでなんの病気かと思ったらアル中だった。
今は介護される身となって、死にたい と呟く老人が、かつて妻を介護していた事を回想する短編。
音が美しい映像だったなぁ。森の音、水の音、鳥の声、良いな。
なんだかめちゃくちゃ真剣に観たけども、心の何処かで自分の将来を案じてしまって、薄っすらと向き合うのを拒否する心も生まれてしまった。
言葉の出なくなった妻の車椅子を押しながら森を散歩し、支えながら川を見詰めて"今度 一緒に雪を見に行こうか"と妻に語り掛けるも、妻は何か言いたげな顔をして夫の掌に文字を綴る。
なんて書いたんだろう。
真剣な目で見詰め合う2人は、どんな気持ちだったんだろう。
ラストシーンは雪の降り続く中、外に出て空を見上げる老人と、部屋から繰り返し聞こえる老婆の慟哭が森の音に掻き消されて終わる。
あぁ胸がくるしい。
こんな思いはしたくないし、させたくもない。
国が安楽死施設を作ってくれたらなぁ…。今すぐ飛び込むぞ!くらいの気持ちで生きられるのに。
短いながらも妙に心に残る一本だったと思う。