サイレントトーキョーという映画を観た。
こちらは、邦画とは思えない大迫力のスペクタクルで描かれるサスペンス映画だ。
キャストも豪華で見所の多い作品。
クリスマスに東京に仕掛けられた爆弾を巡った物語で、ストーリーとしてはシンプルで観やすい印象だった。
タイトルに「silent」と入っているだけあり、随所にある無音のシーンが印象的だった。
考えてみれば、人間の日々の暮らしなんて「静寂」を無理矢理作り出しているような物かもしれない。
人がひしめき合う現代で本物の「静寂」を手にするのは難しい。
だから、大して気にしたくないような情報や気配は無いものとする習慣が染み付いている人も居るのかもしれない。
けれど何かが起こる時でさえ、習慣というものは変わらない。
誰かの行動を突然に感じるなら、きっとそのせいだ。
突如として爆弾が爆発したわけではない。
劇中で中村倫也さんも口にしていたが、誰もが「自分だけは助かる」と根拠も無く信じてしまうのだと思う。
「自分の人生の主人公は自分だ」なんて言う人も居る。
たしかに、多くの物語の主人公は死なない。
けれど現実は違う。
本作は、この時代を生きる全ての人に警鐘を鳴らす映画だ。