たま

ファーストラヴのたまのネタバレレビュー・内容・結末

ファーストラヴ(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

いわゆる鬱映画と呼ばれるジャンルの作品を観ても一切引き摺らない私が、気持ちを引き摺っています。余韻に浸ってるという表現とは別物だと思う。これは、気持ちを引き摺ってます。

映画でも本でもフィクションの物語って、事件の動機や理由を聞いてもなんか腑に落ちないことが多いのですが、この映画は理由の説明が非常に上手で、バッチリ理解できてしまい。しんどくなりました。
子供だからこそ逃れられない運命。運が悪かった、環境が悪かった、としか言えないのが悲しい。助けてくれる大人がいなければ、子供って、自分の力だけじゃ運命に立ち向かうことってできないんだろうな。

大人と大人の関係とか、たまに、ん?と思うことは多かったのですが、
動機はそちらで探してください。
という印象的なセリフに対する答え合わせに夢中になりました。共感はできないけれど、理解はできました。余計な言葉なく、自分の頭の中を話してくれたからだと思う。

にしても、自分の欲に塗れて相手の気持ちを汲み取る能力のない大人が多かった。こんなことって…と、現実に置き換えて考えたらまぁないとは思いますが、本当にこんな大人たちが集まってしまったら…と考えると恐ろしい。そこにしかいられない子供は、やっぱりこうなってしまうと思う。

最後に。
この映画は、加害者の女の子側の視点で描かれています。だからこそ、最後の判決の結果にショックを受ける部分もあるのですが、果たして自分が、この事件をただニュースで見ている視聴者だったら…?と考えると、納得できてしまうんですね。
物事って結局、一面からしか見られないんだなと。
お気に入り作品の一つになりました。
たま

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