ファーストラヴのkuronekoのネタバレレビュー・内容・結末

幼少期の心の傷が、どんな風に影響を及ぼすか。闇を抱えた3人の登場人物が対照的。

話の核になるのは女子大生（芳根）の父親殺害事件。
彼女は裁判でやっと自分がされて来た事に気付く。社会的には恵まれた家庭環境の彼女が、こんな歪んだ虐待を受けていたとは…。

義父と母による歪んだ家庭環境のせいで、苦しみ続けての偶発的な犯行には同情する。

弁護士（中村）は母に捨てられ伯母の家で育てられ、愛情不足からSEX依存症に。
主人公（北川景子）は、父親が幼児性愛者、その苦しみからおそらく心理士の道へ。

物語は、主人公が被告人の彼女と自分を重ねながら、事件を紐解いていく。

出番は少ないながらも、キーパーソンは主人公の夫で弁護士の義兄（本当は従兄弟）の窪塚洋介。

彼のまっすぐな優しさが、義弟を真っ当な人間にしたであろうし、主人公も救う。


ファースト・ラブは、叶わななったけど、恋愛から家族愛へ。主人公は義弟の愛にも救われる。なるほどのタイトルだった。

子供への虐待は、家庭や教育という名のもとに、包み隠され、救いの手はどこからもなく…。

子供は大人になっても尚、その幻影に苦しめられ続ける。
深い過ぎる闇だな…と、どうしようもない気持ちになるけれど、それでも人の優しさで救われるんだという事。

希望の見えるラストで良かった！

この作品は、病んだ社会への問題提起だったと思う。
原作も是非読んでみたい。