水

由宇子の天秤の水のレビュー・感想・評価

由宇子の天秤(2020年製作の映画)
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しでかしたことの質量が飽和して、薄く引きのばして繕っていた善人のツラの皮を突き破って出てきたという感じだった。

驚きや同情や怒りや失望に蝕まれながらも、己の信念に従い正常を装うことが余計に深く深く正常さを削いでいく。あらゆることを天秤にかけ、ただひとつ守ろうとした真実だったのに。

たぶん1曲もBGMが使われていなくて、環境音と動作音と、役者陣の声色だけでこんなに雰囲気って表現できるんだとかなりたまげた。
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