EDDIE

アントマン&ワスプ:クアントマニアのEDDIEのレビュー・感想・評価

3.6
量子世界や多元宇宙と数ある世界線に君臨する征服者。
のほほんとした日常から一変する“小人”の壮大な娘の尻拭い。MCUの流行りは誰かのツケを払うことなのか?
「小さい者を見過ごしてはならない」
しかし事態は悪化するばかり。

さぁMCUフェーズ5に突入。
アベンジャーズで最も過小評価された男アントマンの単独作3作目です。

今回はなんとサノスに次ぐ強敵で、次のアベンジャーズの宿敵になると言われている征服者カーンの登場です。

量子世界が舞台になり、より幻想的かつCG大活躍な世界観へ。色合いや登場する様々な新キャラなど見応えは十分。
とはいえ、フェーズ5の開幕戦と考えるとやや物足りない。
いや、征服者カーンは確かに強いし、エンドクレジットまできちんと観ればカーンの恐ろしさは只事ではない、なんならサノスとは違った意味の脅威だというのは伝わるんです。

しかし、なんだかワクワクしない…。
『アベンジャーズ エンドゲーム 』で成長したスコットの娘キャシー役を演じていたエマ・ファーマンは謎に役者交代させられて、若手人気女優のキャスリン・ニュートンが演じることに。
いや、やっぱ可愛い。抜群に可愛いし、スクリーンに映える。俳優交代は大人の事情すぎて無慈悲としか言えませんが、キャスリン・ニュートンのキャシーはとても良かったです。
いやはやしかし、話だけはやたら壮大になっていって、マルチバースという話が入ってきたかと思いきや、そこに量子世界が話として加わってもはや理解としてついていくのがやっと。

一生懸命話を理解しようと頭を巡らせている間に話はどんどん進んでいくもんだから、作品を純粋に楽しめていない自分がいました。
ペイトン・リード監督のさすがのコメディタッチは最高に良かったんですが、真面目路線な話になればなるほど停滞してしまう傾向にあると感じましたね。
話全体としてはつまらないわけではないけど、絶賛はできない…まぁ可もなく不可もなくという感じでしょうか。
細かいところはネタバレになるので書きませんが、上手いと感じる部分はあっただけに惜しいなぁと。

MCUはサプライズも楽しみの一つではあるんですが、登場人物が増えて話も複雑になるにつれて、なんだか義務感で見ている感覚が拭えなくなってきました。
そういう意味では次の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.3』はかなり楽しみにしています。

〈キャスト〉
スコット・ラング/アントマン(ポール・ラッド)
ホープ・ヴァン・ダイン/ワスプ(エバンジェリン・リリー)
カーン(ジョナサン・メジャーズ)
ジャネット・ヴァン・ダイン(ミシェル・ファイファー)
ハンク・ピム(マイケル・ダグラス)
キャシー・ラング(キャスリン・ニュートン)

※2023年新作映画20本目
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