王冠と霜月いつか

アントマン&ワスプ:クアントマニアの王冠と霜月いつかのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「ゴジラをハグしてるみたいだ。」

壱: エンドゲームで地球を救ったヒーローとして過去の罪を免除されて家族と共に幸せに暮らしているアントマン=スコット・ラング。アベンジャーズの一員として、注目を浴びながらも普通のおっさんとして呑気に暮らしている日々で、スパイダーマンと間違えられてしまうエピソードが彼の微妙なキャラクターを良く表していますね。そのキャラクターとして最も特徴的なのは、一人娘キャシーを溺愛しているパパであるという点ですね。これは1作目から不変の設定です。
ホープ=二代目ワスプは、父親ハンク・ピム博士の会社を引き継いで、多忙な日々を送る経営者、ピム博士=初代アントマンと妻ジャネット=初代ワスプは失われた30年を取り戻すべく悠々自適の生活満喫中、スコットの娘キャシーは立派に成長し(エンドゲームの時と演じる俳優さんが変更になってました。今作から、ブラムハウス版・君の名は:スイッチ/Fleakyのキャスリン・ニュートン)ピム博士に師事して、量子世界へ信号を送れる小型衛星を開発。その衛星で信号を送っているということがわかると、ジャネットの態度が一変、ジャネットの記憶がフラッシュバックし、今回のヴィラン:征服者カーンとの出会いの映像からの家族(一応)団欒の食卓に不穏な空気が流れ、急遽衛星が起動…5人が量子世界へ吸い込まれてしまうところで、物語がスタートします。

弐: 5人は、ピム博士、ジャネット、ホープ組とスコット、キャシー組に別れて量子世界を彷徨。量子世界にも生命体が居て社会が形成されており、まるでSTAR WARSのような、HUNTER×HUNTERの暗黒大陸のような既視感の塊のヴィジュアルで描かれます。全くの別世界を描くというのは描くのが人間である限り想像力の範疇を大きく逸脱しないものなのかも知れません。
 ジャネットの量子世界の体験を聞きながら、量子世界が、STAR WARSで言えば、征服者カーンが帝国軍、女戦士ジェントーラ達の反乱軍に別れていて、物語上の課題として、5人が「家に帰る」為には、ジャネットの過去を清算して、カーンを倒す必要がある事が語られます。
 さて、征服者カーンですが、MARVELのドラマ、「ロキ」に既出のキャラクターなんだそうですね。エンドクレジットで、トム・ヒドルストンが出るシーンの意味が分かりませんでした💦
征服者なんだけど、量子世界に閉じ込められている。これも意味が分かりませんでしたが、お気に入りの「考察者」達の動画で確認中です。マルチバースはドラえもんのポケットのように便利ですが、時に危険な道具も出てくる諸刃の剣なのかも知れません。
 能力が制限されているカーンでも、アントマン&ワスプのスーツの力では、彼を倒せないという大きな葛藤を解決するのは、アントマンのもう一つの能力、蟻とコミュニケーションを取れる事でした!量子世界で進化を遂げた科学的な技術力を持つ無数の蟻の群れ。それを指揮するハンク・ピム博士最強説が改めて浮上します。

参: ただ、物語の主人公は、スコットです。そこをどう描くかですが…さあ、皆で家に帰ろうと量子トンネルを抜けようとする刹那、カーンの反撃に合いそうになるキャシーを突き飛ばし、独り量子世界に残って、カーンとタイマンになります。お約束鉄板ですが、後先考えず、唯々、娘を守る行動に出るスコット。お父さんはここでも優先するのは、娘の安全です。しかしカーンは強い。ボコボコにやられるスコット、ホープも助けに戻って来て反撃を試みますが、倒すには至りません。絶体絶命。(ここ凄く良いシーンなのですが、エヴァンジェリンがコメントでヨケイな事を言ってるのを何度か耳にしているので個人的にはビミョーです。残念。)
 どうなる?どうする?
ここでも、奥の手は、ピム粒子ディスクでした。…やはり、ピム博士最強説は揺るがない?でしょうか(笑)

しかしながら、カーンはそれこそマルチに存在します。サノスとはまた違った強さを持つ征服者カーン…倒したのはあくまで今回のカーン。ボクシングをやってるカーンはクリードに討伐を任せるとして(笑) フェーズ5の行く末に期待≠暗雲が立ち込めます。どっち??

さて、現実世界に戻ったスコットですが、カーンを倒したのは良かったのか?ちょっとは考えますが、ちょっとだけです。まあいいか?的な(笑)
また、マルチバースの感覚に触れても、ifの世界の「自分」を羨んだりしません。そこが彼のとても良いところです。何より、娘キャシーと平和に暮らせる事、それが最高なんですから。その娘が、殺人鬼と魂が入れ替わらないことを祈りつつレビューを閉じます。最後までお読みいただき🐜がとうございました。

スコアは、誰にもお勧めできる作品だと思います。4.0…世間様の評価は辛いですね(笑)
 

あー、「ロキ」も観ないと。