王冠と霜月いつか

悪は存在しないの王冠と霜月いつかのネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

誰か教えて下さい。

“ケイコ目を澄ませて”以来、久々に群馬県高崎市にあるミニシアター、シネマテークたかさきにて滑り込み鑑賞。関心領域とのダブルヘッダー2本目、バリアフリー字幕版で鑑賞致しました。

最初に言っちゃうと、※バリアフリー字幕が邪魔で、ちょっと集中出来ませんでした。“悪は存在しない”のでしょうが、自分の心に、普通にバリアは存在しておりました。お恥ずかしい。ケイコ目を澄ませてのレビューの締めに書いた言葉が嘘臭くなってしまいました。
※バリアフリー字幕とは、主に聴覚に障がいがある方に対して、話している人の名前や台詞だけでなく、映像で流れる音楽や効果音、環境音などの意味のある音情報を文字で表した字幕です。

ベネチア国際映画祭、銀獅子賞受賞作品(因みに、金獅子賞は、エマ・ストーンの哀れなるものたちが受賞)

さて。

グランピングの運営会社=コロナ禍補助金狙いの芸能事務所のスタッフ男女、高橋と黛が社長に急かされて、再び、水挽町に向かう車内の会話がリアルで上手くてキャラクターが起ち始めてる辺り…なんだよ!コイツら別にまともじゃん。コンサルとか社長が『悪』なんじゃんなどと感じてる辺り…結構時計が進んでいて、上映時間残り45分位の筈だけれど、どうやって決着つけるんだろう?と余計な心配をしていたら、まさかの展開。そして、チョークスリーパー!?

何故あの場面でチョークスリーパー?なのか?
ちょっとシーンの前後関係が不明瞭なので、わからないのですが?
①高橋が大声を出しそうだったので鹿を刺激しないように力技で止めた。
②高橋が大声を出してしまったので、花が鹿に突かれてしまった為、キレて殺しに行った。

①なら、腕をつかんで、口に指を当てて『静かに』のポーズをとれば伝わるのでは?
②なら、説明会で、巧の前に座っていた金髪の兄ちゃんがキレたのを止める位の、町民側で最も冷静な人物が、急にあんな事する?

わかりません。

巧が淡々と説明してる手負いの鹿の危険性、小鹿の白骨死体、何度も聞こえる獣害駆除の銃声…伏線は張られていたものの、展開が急で。

悪は存在しないの悪とは人間を善悪の二元論で論じるのではなくて、悪ではないのだけれど、自然は基本的に人間にとって恐ろしいものですよ。という事なのかな?
でも鹿を手負いにしたのは、人間か。もっと言うなら、町民側もそもそも開拓者なのだから自然破壊者という事で広義で悪は存在しないという事なのかな?

花を抱えて急いでいた巧の荒れた呼吸が落ち着くのは、もう手遅れだと巧が認識したからなのなら、悲しすぎると思います。