シバザキ

鬼手のシバザキのレビュー・感想・評価

鬼手(2019年製作の映画)
4.0
名作囲碁アクションノワールの『神の一手』がけっこう好きなので、スピンオフである今作も期待してましたがちゃんと面白かった。
文字通り片腕を賭けた囲碁や線路囲碁、目潰し囲碁などいろんなバリエーションの裏社会囲碁が用意されているのは前作譲りで、テーマを最大限活かそうという気概が感じられていい。終盤の100対1の対局は画の壮大さとは裏腹に一人づつチマチマ打っていくくだりが良かった。アクションは少し薄味に感じたけど、碁石を使った即席武器を利用するなど工夫がきいている。
ストーリーは割と一本軸が通っているわかりやすいものでノイズはない。復讐を通じて親子愛やトラウマの告別などポイントは押さえている印象。
ただ囲碁×アクションノワールの文脈でできることは一作目をなぞっているだけのように思えてしまったので、もっと新しいアプローチを見たかったのも事実。それでもこの路線でシリーズ化はバンバンできそうなのでそこに期待。『神の一手』の主人公と鬼手の共闘とか見てみたいですね。
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