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エルヴィスのIKのレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
3.9
ここまで悪いトム・ハンクスを見たのは初めてかもしれん。

エルヴィス・プレスリーの映画だが、メインの語り部がエルヴィス本人ではなくマネージャーのトム・パーカー大佐な時点で、「ボヘミアン・ラプソディ」や「ロケットマン」とは路線が全く異なる。
そしてこのトム・パーカー大佐がかなり強烈というか凶悪。エルヴィスにビッグビジネスの可能性を見出す審美眼や、彼を売り込んでいくプロデュース・宣伝力は確かに凄い。
しかしそれ以上にケツの毛まで毟り取る勢いの強欲さが恐ろし過ぎて、歌唱シーンだけでなく普通の喋りまで凄くエルヴィスなオースティン・バトラーの熱演が霞む事も。

また冒頭から問答無用なかっ飛ばし振りに最初は戸惑ったけど、ギラギラした感じはエルヴィスのイメージに合ってるし、「ムーラン・ルージュ」といい「華麗なるギャツビー」といいバズ・ラーマン監督作っていつもこんな感じな気がする。終盤に向けてどんどん静かに落ち着いていく点も然り。
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