人気ロック歌手であるエルヴィス・プレスリーの知られざる人生を描いた作品。
オースティン・バトラーがエルヴィスを演じ、トム・ハンクスがマネージャーを共演。
エルヴィス・プレスリーの家庭は貧しく、彼は幼少期を黒人街で過ごし、音楽をはじめ黒人文化に接して育つ。
歌手としてデビューした際には、沁みついた黒人のリズム感や文化が歌やパフォーマンスに現れ、白人のカントリーミュージックに黒人のE＆Bを融合させた腰を振りながらのロックを歌うスタイルに、多くの女性が熱狂し、彼の人気は瞬く間に全米に広がる。
その一方で、分離主義者などの保守的な白人からは非難を浴びてしまう。
マネージャーのトム・パーカーは、TV出演の停止や逮捕を恐れてエルヴィスに派手なパフォーマンスを禁止する。
しかしファンたちは納得せず、それに応えるべくエルヴィスは自らのパフォーマンスで熱唱するが……
彼の衣装や圧倒的なパフォーマンス、歌唱力に対する女性ファンの狂乱ぶりが凄いです。
一方で当時のアメリカの人種差別や偏見が強く、それらの体制と戦いながら自分の道を模索する苦悩が描かれています。
キング牧師やケネディの射殺もエルヴィスの活動に強い影響を与えたことを知り勉強になりました。
音楽やアーティストの世界でも黒人文化に対する偏見があったのですね。
マネージャーの功績は大きいですが、彼に国籍がないため海外ツアーを潰したり、収入の50％を搾取するなどの横暴もあり、功罪が問われるのは、ビッグアーティストのマネージャーならではの問題です。
本作品は、エルヴィス・プレスリーの波乱万丈の壮絶な人生を垣間見ることが出来る秀作で、知っている曲も沢山あり楽しめた。
最後は心身ともにボロボロになり、42歳の若さで亡くなったのが残念です。
