- What killed my boy? (•••) His love for you.
なにか真実が宿っているとしか思えない
エルヴィスという1人の人間の真実と
彼と写し鏡の社会と大衆の真実と
「我々が何が見たいか」という2023年の社会の真実
アフリカン•アメリカンの文化で育った白人が
音楽を通じて世界と自分の距離を切り結び
世界の在り方をも変えていく過程が活写される
しかしエルヴィスという1人の人間が背負うにあまりに重すぎる荷物が彼を潰す
彼がどれだけの天才で、スーパースターでも、
なによりも先に彼は1人の人間でしかないのだ
そしてその「荷物」とはなんだったのか
大衆は「パーカー大佐」という”エイリアン”に責任を押し付けようとする
しかしその我々の欲望の裏側に、何が潜んでいるのか
映画はそれを観客に突きつけながらもなお
エルヴィスという人間のかっこよさは決してそれでは損なわれないということを
もう一度スクリーンに焼き付ける
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エルヴィス•プレスリーについてあまり詳しくないので全てが面白かった
そしてなにより、エルヴィスの生き様がカッコ良すぎる
エルヴィスは存在のあり方そのものが人種差別•暴力に対してのプロテストなのだ
音楽や文化がある意味を体現するような力を感じる
エルヴィスを潰したのは何なのか?という問いは、我々が常に持ち続けるべきであろう問いでもあると思う
僕も大好きなロックスターがいるが、そのロックスターもまず第一に人間であり、過剰な期待をファンが押しつける構造は不健全なのだということをまず忘れないでおこうと思った
テレビのシーンがすごく良かった
ラストの演奏シーンの凄まじさに震える
とにかくエルヴィスがカッコいい
それに尽きるのだ