よもぎ

tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!のよもぎのレビュー・感想・評価

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劇作家ジョナサン・ラーソンの自伝的ミュージカルを基に悩める劇作家の青年の人生を描く伝記ミュージカル映画。

素晴らしかった。正直ジョナサン・ラーソンという人もこの映画が伝記映画である事も観るまで知らなかったけれど、あっという間に惹き込まれた。
ジョナサンを演じたアンドリューガーフィールドの演技、その歌声と全体を彩る素晴らしい音楽の数々。陽気に振る舞いながら何かに急き立てられる様に焦り人生を駆け抜けた才能ある若き作家の心情を表す様に序盤からほぼ終盤まで絶えず音楽の中に紛れ込み、制限時間を告げるタイトル通りのチクタクチクタクという秒針の音が秀逸。

夢は人生を費やせる程に美しく、素晴らしく。ほんの一瞬で儚く、あっという間に見失い焦り忙殺される日常の中に埋もれ瞬く間に掻き消えてゆく。夢を見失い時間をただ浪費してゆく中で忘れてゆくもの、忘れてはならないもの。夢を追う為の原動力となるもの、心折れそうな瞬間に初めて気付く人や言葉の大小様々な支え。
そういうものについて考えさせてくれる。本当に素晴らしい映画だった。胸を打たれた。
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