通り雨

tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!の通り雨のネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

30歳になるが何者でも無く、友人も別の道へ進む、解決策も見出せず時間だけが過ぎていく、肩書きがないことへの焦りや不安。このまま波を起こすこともなく、終えてしまうかもしれない閉塞感。30歳に区切らずとも人生のどこかのタイミングで意識しそうな身近に感じるテーマ。

「30/90」で映画の冒頭から掴まれました。
当然劇中の音楽には熱量があり、どこか悲しくも。それは自身の夢と生活を天秤にかける内に擦り減っていく描写と、1人で作品や自分と向き合い続ける強さが内包されていたと感じたからかな。

時間は有限という当たり前の事実を正面から受け止めるとともに、その想いを丁寧にミュージカル作品に嫌味なく落とし込んでいることが凄いです。ジョナサン・ラーソン氏は享年35歳でしたが、彼へのリスペクトや音楽が次世代に引き継がれていることを感じる作品でした。
通り雨

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