Jimmy

ハイウェイの彼方にのJimmyのレビュー・感想・評価

ハイウェイの彼方に(2019年製作の映画)
4.0
イーサン・ホーク主演の映画、スターチャンネル放映されたので観てみた。
2019年のアメリカ映画だが、日本未公開。

何か独特な雰囲気がある映画で、余韻を残すような感じだった。
実はとっても良い映画なのではなかろうか…。

まず、「カリフォルニアの三振即アウト法」についての説明があり、これは「過去2度以上特定の罪で有罪判決を受けた者が、再度有罪判決を受けた場合は3度目の罪が軽微なものであっても、終身刑を含む25年以上の禁固刑となる法律」のこと。

そして、ある男が刑務所から出所するところから物語は始まる。彼の名はラッセル(イーサン・ホーク)。彼は「CAの三振即アウト法」に引っかかって、たった25グラムの麻薬を売るために持っていただけで20年刑務所に入っていた。仮釈放されたのだった。
仮釈放なので、何か問題を起こすと刑務所に逆戻りさせられてしまうあたりが、観ているこちらにはハラハラさせられる要因となっている。

そして、彼は真面目にバーガーショップで働くが、ある晩、店のゴミ出しして帰ろうとする時に、店のゴミ箱の中から赤ん坊の泣き声が…。
彼は、赤ん坊を助け出して、通報しようとするものの、世話を始めてしまう。
……このあたりで、「えっ、これが『誘拐』と見做されたら彼は刑務所へ…」と思わされるスリル。
そんなスリルを感じながらも、彼が赤ん坊に接する姿に「人間としての優しさ」を感じる。

赤ん坊を施設に預けてすぐ、彼は故郷に帰るバスに乗る。バスで気性の激しそうな若い女性と乗り合わせるのだが、彼は女性に「マスタードとマヨネーズのサンドイッチ」を振る舞う優しさを見せる。

その後、父母の墓、父親の取引していた銀行などが描かれて、それまで断片的だったエピソードが繋がる感じが素晴らしい!
……ここで「繋がる感じ」と記載したのは、「エピソードが繋がったことを明確に描写していないから」であり、あくまでも観る者の感性で、そう思わせられるから。

この曖昧さが、個人的には余韻に思えて佳作に思えるが、これは観る人によって変わるものだと思う。
賛否両論あってもおかしくない気がする……(^^)
まぁ、自分は肯定派になってしまったのだが…😄笑
Jimmy

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