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ミッドナイト・ファミリーのNoAceJustYouのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドナイト・ファミリー(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

2023/06/26鑑賞。
ドキュメンタリーのため点数はつけない。


舞台はメキシコシティ。
900万人の人口に対して公営の救急車が45台未満しかないこの町では、無許可の私営救急隊による非合法ビジネスが蔓延っている。
本作の主人公・オチョア一家も、この私営救急ビジネスに携わっており、救った人やその家族から金を受け取ることで生計を立てていた。
だが、このビジネス自体がそもそも犯罪のため、救った人に対して支払いを強制することは不可能。警察に通報されれば逮捕もあり得る。
もし支払いを拒まれれば、ガソリン代やガーゼなどの医療道具、車内の清掃費用は自費になり働くほど赤字になることも。

彼氏に頭突きされて怪我をした女子高生・アンドレアを搬送するが、彼女の母親は3800ペソの支払いを拒否。
貧困を理由に連日支払い拒否する患者たちに苛立ちを隠せなかったが、ある少年を病院に送り届けたことでその母親から十分な報酬を受け取ることができた。

一家の悩みの種は患者だけでなく警官や同業者もだった。
一部の悪徳警官は、彼らのビジネスを見逃す代わりに金銭を要求してくるからだ。
なるべく早く現場に到着しなければ、同業者に先を越されてしまうこともある。

ある夜、10メートルの高さから落下して外傷性脳損傷を負った女性・ソニアを搬送するが、彼女は亡くなってしまう。
『もっと近くに病院はあった。そっちに行ってくれれば助かったのに』
ソニアの家族から浴びせられる言葉は、ナイフのように鋭く突き刺さって心を抉る。

それでも一家は、ソニアの家族に金を支払いを要求する。それが彼らの仕事だから。

一家は今日も人命を救い、そして金を稼ぐために私営救急車を走らせる。
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