いわゆる娯楽作品としての映画ではない。なんらかの物語があるわけではなく音と映像による表現。内容を理解するとは違った体験でクラシックやインストの音楽を聴く感覚。共感するではないのだけれど自分の中にあるなかったことにしていた傷が呼び起こされた。自分の中の孤独や傷を見つめるような時が流れる。ただそれが在るのだと受け止める時間。出てくる映像や自然ははじめてみる風景なのにかつて自分が見たことのある風景のようだった。小さい頃の感覚を思い出す。エンディングの音楽と写真が美しかった。オンデマンドで見たけれど夜に単館で観たい映画だった。