【個人の努力には限界があるから】
アメリカのドキュメンタリー映画、2004年。ロス・カウフマン+ザナ・ブリスキ監督作品。第77回アカデミー賞最優秀ドキュメンタリー賞受賞作。
女流フォトジャーナリストであるブリスキが、インドはカルカッタの赤線地帯を取材しているうちに、この地区に住む子供たちに写真を教えるようになる。売春婦の家庭に育ちろくな教育も受けていない彼らは、しかし優れた写真を撮るようになり、ブリスキはなんとか子供たちにまともな教育を受けさせて売春街の社会環境から脱出させようと動き始めるのだが・・・。
売春街の子供たちが撮った写真がすばらしいし、彼らを取り巻く困難な環境も伝わってくる。いかに子供たちがこの環境から抜け出そうとしても、親などが許さない、という事情も見えてくる。
ブリスキの努力も胸を打つが、こういう仕事に関してはやはり個人のできることには限界があり、政府や大きなNGO組織などを動かしていくしかないと思う。
そういうことを痛感させられる映画。