三四郎

仔鹿物語の三四郎のレビュー・感想・評価

仔鹿物語(1946年製作の映画)
3.0
お母さん、厳しいなぁ。
子供が幼くして何人か亡くなった後だったら、なおさら普通は元気に育ってる子供を溺愛するものだと思ったが…。
一応、グレゴリー・ペック演ずる父親は「お母さんは、自分の子供を幼くして亡くしてるから、また死んでしまうんじゃないかと愛することを恐れているんだ」というようなことを言っていた。
愛が深過ぎると傷つくのもその倍ということか。まぁ納得はできるけれど、でも息子に対して厳しよなぁ。

なかなか最後は可哀想な話だった。
ハリウッドは、甘いだけじゃなくて苦い成長物語も作るんだなぁ。
日本映画では、1941年の山本嘉次郎監督による東宝映画『馬』みたいなものかな。
ただ、日本映画だったら、息子に対して、どんなことがあっても、息子の可愛がっていた仔鹿を自分で殺すようにとは言わない気がする。一緒に山奥まで行ってサヨナラするか、親が殺すか…かなぁ?
子供を一人の大人として扱うか、子供はあくまで子供として扱うか、欧米人と日本人の違いはこういうところにあるのじゃないかしら。日本という国は子供にとって天国だと、明治時代に来日した欧米人が言っていたようだが、本当にその通りだと思う。子供に対して優しいよなぁ。
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