れん

バビロンのれんのネタバレレビュー・内容・結末

バビロン(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

夢を見る者たちが満たしたい欲望、移りゆく時代の変化に翻弄されながら夢の果てまで到達したとき苦味を伴いながらも溢れんばかりの映画愛を浴びせられる。1920年代ハリウッドの美しい側面と下世話で醜悪な側面を描くデイミアン・チャゼル監督の純粋であり邪悪でもある映画愛と力技のレベルが格段に上がり、強烈なパワーを持ってぶつけられる。ジャスティン・ハーウィッツの素晴らしい音楽たちが作品を彩り存在感を放つ。これほどまでにえげつなく活気のあるやりたい放題で無法地帯、カオスが広がるパーティとまるで戦場のような危険すぎる泥臭い撮影現場、そこに宿る映画の魔法の美しさ。その時代のスターたちが時代の終わりを悟った時の虚しさと哀愁。映画の歴史に刻まれてきたスターたち、制作に関わった人々が築き上げてきたものは過去から未来へ確かに忘れられず受け継がれ繋がる。この熱量と勢いがたまらない。
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