ヤコブ

バビロンのヤコブのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
4.9
ド名作。

尺は長いが緩急があって、非常に見応えがあった。音楽の使い方が秀逸で、ちょっとアフリカンなビートが破滅的なキャラクターと、酒池肉林の熱狂にぴったりだった。場面転換はもちろん、サントラとしてもアップテンポやバラード織りまぜ良い出来だった。

冒頭、映画黎明期の熱狂と呼ぶにふさわしく、短いカット割りに怒号の連続で、非常に迫力があった。ナンセンスなまでの暴力、無計画、無秩序ぶり。今後も語り継がれるにふさわしい名シーンの連続だった。
主人公がヒロインに惚れる瞬間、パーティー会場から出て朝日を浴びる瞬間の美しさには目を奪われた。記憶に焼きつくような徹底的な瞬間の目白押しで、鳥肌が何度もたった。

心技体がしっかりしてるというか、テーマに対して構成と演出が完璧。たぶん50年先も名作として見続けられる。映画でしか味わえないグルーブ、カタルシスを感じた。
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