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バビロンのAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
3.5
冗長に過ぎる。
デイミアン・チャゼル、結構好きな監督だったんだけどなぁ。それだけに残念。

黎明期のハリウッド映画産業の狂乱、
無声映画からトーキー映画への移行期にアジャスト出来なかった俳優達の栄枯盛衰を描く。

無声映画の映画撮影を、朝の撮影開始から夕方までを描いたシーンは良かった。
中世騎士映画パート(ブラッド・ピット)、カメラ現場に無いから早く調達してこいパート(ディエゴ・カルバ)、何処の馬の骨だよ新人女優(マーゴット・ロビー)の衝撃的撮影デビューパート、それぞれがクロスオーバーしながらマジックアワーの夕焼けと伴に最高の撮影を終えるシーン。
あれは良かったけど、後半は失速。

無声映画のスター達が時代に乗り遅れ没落していく物語だから仕方ないにしても、語り口があまり上手くなく観客を置いてけぼりにしている。

前半の豪華絢爛パーティもどこか上滑りしていて、悪趣味シーンも大半の観客が想定する範疇を超えてこない。

冒頭のゾウのシーンは最高の立ち上がりだと思っんだけどな、、

この題材を扱うと映画ファンは褒めるしかない、ある種の禁じ手。やるなら映画マニアからだけでなく、
無声映画もトーキー映画も区別がつかないけど劇場に足を運んだ10代20代の映画初心者も、なんだか良く分からないけど強烈に胸の奥が締め付けられ、映画の素晴らしさ・奥深さを刻み込むような作品を期待していた。

デイミアン・チャゼルがやるのは少し早い気もした。監督なりに映画産業の終焉の予感を感じとっての事だろうか。
次回作に期待。
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