ゆうたろう

バビロンのゆうたろうのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
4.2
エネルギッシュで映画愛に溢れている作品でした。
所々に見られる乱痴気騒ぎの狂乱振りにはギョッとさせられますが、それ程この時代には勢いや生き生きとした野望に満ち溢れた人々がいたことを表していて見応えがあります。

確かにストーリーはまとまりや方向性に欠けていたり、ここの描写に力を入れるの?という疑問もありましたが、それらを含めてジャズの音楽とともに狂乱の時代を駆け抜ける感覚があり、不思議と心地良く感じました。後半のストーリーの尻すぼみ感も、サイレントからトーキーに移り変わる時代、それにどうしてもついていけない人々の哀愁があり、個人的には嫌いにはなれません。

俳優の演技も良くて、マーゴットロビー演じるラロイの刹那的な美しさ、哀愁が素晴らしかったです。

最高とか完璧とは遠く、どこかバランスを欠いたアクの強い作品ですが、「映画」という何か大きな物の流れに携わる人の映画愛を感じることができ、映画好きとして観る価値のある作品でした。
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