風来坊

バビロンの風来坊のレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
3.5
「ラ・ラ・ンド」のデイミアン・チャゼル監督という事でシャレオツ映画かと思いきや下ネタ満載の映画で驚きました。
無声映画の時代、映画がまだ一大娯楽だった頃の隆盛ぶりを垣間見る事が出来る作品。
そりゃ自分がブームを作っていてお金もジャンジャン入れば調子に乗っちゃいますね。
撮影で人が死のうがお構い無しの無茶苦茶な時代に驚きます。

しかし…栄枯盛衰で有声映画の登場で無声映画は時代遅れに…。時代に付いて行ける者とそうでない者の対比が切ない…。
隆盛を極めながら滅亡したメソポタミア文明の都市からのタイトルはハマっていますね。
主要登場人物には無声映画で活躍したモデルになった実在した人物がおり、もっと無声映画に詳しければ面白かったと思いますが、チャップリンとバスター・キートンしか知らない私にはちょっと分からない事が多すぎた。

評価は高いですが興業的には爆死したという事ですが、確かにどの層がターゲットなのか分かりづらい印象。
映画好き向けだと思いますけど、こんな下ネタ満載じゃ家族連れやカップルなんかは観れないし年齢層も高めと思うし…。ある一定の層向けなのが響いたと思います。

無声映画から有声映画への移行と共に、人種差別や女性蔑視などの時代感も入れて社会性も訴えていましたがちょっと詰め込み過ぎたような…。
華やかな世界の裏側とそこに生きる者の栄光と滑落は見応えはありましたが、流石に長くちょっと疲れてしまった作品でした。
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