足らんティーノ

デルフィーヌとキャロルの足らんティーノのレビュー・感想・評価

デルフィーヌとキャロル(2019年製作の映画)
4.0
映画批評月間 フランス映画の現在vol.04
デルフィーヌ・セイリグ生誕90年記念の特集の1作。

フランスで2台目(1台目はゴダール)のビデオカメラを手に入れ、やがてフランスにおけるビデオアートのパイオニア的存在となったキャロル・ロッソプロスと、セイリグの出会いを描く。

セイリグのフェミニズム活動家の側面を知らなかったので、こんなに精力的に第一線で活動していたことに驚いた。

「男による男のための見世物」である演劇に女性の視点を採り入れた第一人者。
ビデオというものがまだ未開拓だったからこそ女性が声をあげられた。

女も男と同じように自分で考えて代弁者を介さずに自分の考えを述べられる。

坂本安美さんの解説トーク。
デルフィーヌセイリグはその出自(レバノンで生まれニューヨークで10代をすごしパリに渡った。ナショナリティを持たない異邦人だった)から、自分というものの表現者、そしてフェミニストになった。
セイリグの初期の中編無声映画『Pull My Daisy』も一部鑑賞。男を抑圧する女性役だったためセイリグはこの作品を快く思っていなかった。
『ジャンヌ・ディエルマン』について。男性には見えなかった主婦の日常風景。儀式のような決まった動作。

女性解放運動の標語。
男のいない女は自転車のない魚。

2023-15/字幕
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