MasaichiYaguchi

チャーハンのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

チャーハン(2019年製作の映画)
3.4
若手監督・武石昂大さんの短編作品では、奇妙な男女の三角関係が繰り広げられる。
一人暮らしの倉田透のもとに家なし職なしになった男・飯田伸太郎が転がり込んでくる。
恰も伸太郎はそこをまるで自分の家のように振舞い、透もそのことを気にも留めていないみたいだったが、透の彼女の沙耶は伸太郎の行動に訝しいものを感じていた。
同じ武石監督のショートショート「おるすばんの味」でもそうだが、料理がキーアイテムになっていて、登場人物を結び付ける役割を果たしている。
「おるすばんの味」ではカレー、本作ではタイトルになっている「チャーハン」が男女3人の奇妙な関係を結び付ける“接着剤”になっている。
本作では、透のところに居候している伸太郎が有り合わせの材料で作っているのだが、彼が作った「チャーハン」を食卓で3人で食べるシーンが印象的に出てくる。
恰も「チャーハン」が“潤滑剤”のようになって、奇妙だが賑やかな3人の共同生活が営まれていく。
だが、物事には必ず始めと終わりとがある。
伸太郎の或ることが切っ掛けで、3人の関係は崩れていく。
果たして、3人はどのような結末を迎えるのか?