Antebellumアンテベラム=南北戦争以前
Anteアンテ=逆行
Ant(e)bellumのeが逆になっているタイトルロゴは、そのままこの映画の構造を示している。
「新しい価値観を持って今を生きよう」と主張する主人公に対し、文字通り「過去は死なない」事を突き付けてくる、最悪の懐古主義。
また、メインビジュアルにもなっている「蝶」も、見終わってみると如何様にも読み取れる絶妙なモチーフだったと感じられる。
しかし、良いとこもありつつ、今一つ怖くない。アス、ゲットアウトと「プロデューサーが同じ」という事で、薄らと「3匹目のドジョウを狙ってやろう」という作為性を感じてしまうのが1番気になった。
そしてテーマと話の構成が「ゲットアウト」に似てる分、あっちがどれだけ良く出来てるかが際立ってしまった感が否めない。
でもラストの美しさや最初の長回しなど、個人的に良いなと思うシーンも結構あった。