まおう

アンテベラムのまおうのレビュー・感想・評価

アンテベラム(2020年製作の映画)
3.5
ゲットアウトやアスの製作陣がジャネール・モネイ主演で贈るスリラー映画。
目が覚めるとそこは南北戦争下の南部の大農園…黒人奴隷のヒロインは壮絶な暴力に耐え忍びながらその時を待つ…

予告を一切見ていなかったので中盤のドンデン返しにゾゾゾ〜っとさせられたが、ミスリードはあるものの予告でほぼネタバレしてるのはご愛嬌。
露骨なまでにショッキングな展開で現代の黒人差別問題をわかりやすく描いているが、評判は全く芳しくないのはやはり昨今様々なBLM映画が送り出される中、何の捻りもなく目新しい提案や問いかけも提示せずBLMを単純でただ画がドラマティックな勧善懲悪モノとして描いてしまっているからだろうか?
善悪の構造が単純明快であるが故に黒人差別問題のルーツを見直す良い機会にはなるが、一方であまりに露悪的な悪役や突飛な設定のせいでBLMがフィクションやファンタジーの話の様に消費されてしまう…匙加減の大切さを痛感する一作でもある。
そんなわけで賛否両論わかれる映画だが、ジャネール・モネイの鬼気迫る演技は脳裏にいつまでも焼き付く。
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