キャプまる

ブレイブ 群青戦記のキャプまるのレビュー・感想・評価

ブレイブ 群青戦記(2021年製作の映画)
2.0
序盤で思ったより高校生が惨殺されていくのに驚いた。高校生設定だったのでもっと控えめな描写かと思いきや予想を裏切られた。しかし予想を裏切られたのはこれだけであとはもう予想の範疇を一歩たりとも超えない展開が延々と続くだけだった。

せっかくいろいろな部活を戦国時代という舞台で取り扱うんだから、どうせならもっとスポーツを戦闘に特化させて魔改造するくらいにぶっ飛んで欲しかった。この映画だと殺し合いの戦国時代でラグビー部なら相手にタックルするだけ、野球部ならデッドボールを喰らわせるだけ剣道部は甲冑相手に竹刀を振るだけという、自分たちの練習してきたタックルだったりピッチングのみで戦っていたのが驚いた。
殺し合いになるとわかってるのにユニフォームと一部のみ甲冑をつけるだけでなぜ戦場に行ってしまうのか?武器を持とうとは思わないのか?タックル一発かましただけでなぜ相手は二度と立ち上がれないのか?疑問点が多すぎる。

特に剣道部は真剣を持ってくれと思ってしまう。主人公の剣道部所属の幼なじみが真剣がそこらへんに落ちてるのに、これが特別な強い武器と言わんばかりに重い木刀を持って攻め入ろうとしてたのはなんなのか?ギャグでやってるのか?

高校生が殺されるのはいいが高校生が殺すのはNGという謎基準があるのか?と勘ぐってしまう。
少しネタバレになるが、現代に戻る人たちは殺しはNGで戦国時代に残る主人公は殺しOKという基準で描写していたのではないかと推察する。

この映画でアイデア的映像的によかったのは最初の殺戮シーンで人が殺されるシーンをスマホで撮ってた男子高校生が殺されるシーンと、野球部の火の玉ノックぐらいであとは予想通りというかもっと酷い描写が続くのみ。
特に1人倒れたら何人も駆け寄るシーンを何回も何回も写すのはなんなのか?友達が殺されて悲しむのは良いが流石にワンパターンすぎて見てる側は可哀想ともなんとも思わなくなってしまう。そもそも人数が多すぎるゆえに人物描写も極薄で誰がどうなろうと何も感じられないのが根本的な問題だが。

俳優や演技、特に三浦春馬は良かったがそれだけになぜこんなクオリティになってしまったのかとても残念。
初見で最後まで見るに耐えないという要素はなかったが、ただひたすらに退屈を感じさせる作品で見た後にほぼ何も残らず、残るものとしてはもう二度と見ないという決意だけ。

個人的に今年ワーストと思っていた『△窓の外側は夜』の方がまだ微妙ながらも褒めるところや薄くとも印象に残るセリフやシーンがあるだけマシに感じるという底辺争いを味わえるとは思わなかった。

しかしそれにしてもあれだけ目の前で人が殺され実際に戦いの場に身を置けば日常生活に支障が出そうなものだが、そういうことは一切描かれず平和を取り戻した学校の様子が描かれただけなのでモヤモヤしてしまう。
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