MasahideYoshida

星の子のMasahideYoshidaのレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
3.9
2020年公開
監督 : 大森立嗣
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愛され育った中学生が、両親と、その両親が信じる宗教を、信じられるか否かで揺らぐお話。

人が弱くて揺らいでしまうという真理のお話。弱さゆえにすがる人、怒る人、切り捨てる人、考えることをやめる人。いろんな弱さが出てくるけれど。「あんたは信じてるの?」と問うてくる親友の存在が尊い。善悪や、自分が出す結論の如何の前に、「自分は果たしてどう感じているのか」を問い直すこと自体しか、確かな自分がそこにあるということにはならないという、デカルト的な感想が浮かびます。

普通にふざけ合って、普通に友達との旅行を楽しみにし、普通に試験勉強に悩み、そんな日常が何ら変哲もなく描かれるが故に、すぐそこに自分の常識とは違う常識があると言うことを忘れがちだからこそ。相手への想像力が全て。想像力なしパーソンをやらせるとピカイチなウェルテル岡田将生はさすが。