橋口ぐちょぶ

星の子の橋口ぐちょぶのレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
4.0
登場人物全員、人間ぽさが出ていた。
観ている最中はなんだか心地が良かった。

ウチは母親がとある宗教の熱心な信者だったので物心ついた頃から、この映画に出て来るような集会にも付いて行ってたし、周りの信者の子どもたちとも映画同様に集会所で遊んだり、家では毎日手を合わせる儀式のような事もしていた。

生まれた頃からやっているのでそれが当たり前の日常だと当時は思っていた。

成長するにつれ次第に冷めていき、手を合わせる事はなくなった。
母親は今でも熱心に続けている。

否定的に思っていたこともあったが、宗教どうこうの前に「信じる」という行為は人にとってどのみち必要なのだという事が分かって、それからは人それぞれなのだなと思うようになった。

映画の中の主人公を見ていると当時の自分を思い出し、思い返しながら観た。

小学生の頃、遠方まで大規模な集会まで高速バスで行ったその帰り道、高速バスの窓から外を眺めると横を走るヤンキーの兄ちゃんの車が笑顔でこちらに手を振って来たので、こちらも手を振り返すとその助手席に座っている兄ちゃんが透明なビニール袋片手に思い切りシンナーを吸っているのが見えて、世の中の広さを子どもながらに感じた事も思い出した。

あのシンナー吸ってた兄ちゃん元気かな。