ちこまる

ジョゼと虎と魚たちのちこまるのネタバレレビュー・内容・結末

ジョゼと虎と魚たち(2020年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

車椅子の人間を健常者が支えるストーリーなんて
腐るほどあるけど
健常者だと思っていた人間が
不慮の事故で自分も歩けなくなるかもしれない。
車椅子の生活になるかもしれない。
という展開はあまり見ないので新鮮だった。


夢を持てと励ましてきた人間が
もう自分は駄目だと、
未来に希望を持てなくなる。


自分含め、健常者はこれからも当たり前に5体満足で生きていけると思い込んでいる節があると改めて気付かされた。
誰だって明日も歩ける保証なんてない。


どうにか背中を押そうと
ジョゼが作った絵本を読むシーンがとても良かった。
翼をなくした少年に対し人魚が言った言葉。
「あなたは心に大きな翼を持っている」
体の翼が折れたって、心の翼は折れないでしょ。
ジョゼの精一杯の思いに涙が出た。
貴方なら大丈夫だと。単なる軽い励ましではなく
本気でそう思っていると伝わってくる。


とてもいい映画でした。
視聴者に解釈を求めない。全部見せてくれる系なので誰が見てもわかりやすいと思う。
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