いしはらしんすけ

名探偵コナン 緋色の弾丸のいしはらしんすけのレビュー・感想・評価

名探偵コナン 緋色の弾丸(2021年製作の映画)
3.9
劇場版第24作。

どうやら隔年ペースの担当になってるらしい、櫻井武晴脚本による赤井秀一を中心とするFBIもの。

ここまで地道にコナン映画マラソンしてきたもののなにせ門外漢なもんで、お馴染みのタイトル部分でさらっと説明される赤井家周りの情報で普通に「えっ!そうなの?」と声出ちゃったわ。

故にそこらの細かい関係性が把握できてなかったりしつつ、そこはそれ。連綿と受け継がれる一話完結スタイルは遵守されているので、あんまわかってなくても楽しめる安心設計になってます。

その上ですっかりレギュラーとなった櫻井氏の脚本がコナンワールドに完全アジャスト。

例えば「絶海の探偵」や「ゼロの執行人」あたりの「これ、コナンか?」な作品は勿論、物語の鍵となる役割を果たす「純黒の悪夢」なんかと比べても少年探偵団の活躍がちゃんとコナンしてるというか。

今回もリアリズムを徹底したセキュリティ描写は踏襲しながら、映画的にはお初の六冠棋士・羽田秀吉と交通課の宮本由美のカップルでラブコメ要素を補完するなど、総じてキャラの動かし方がツボを押さえてる印象。

櫻井作品らしくFBIを含め警察がカッコ良すぎるきらいはあれど、櫻井氏がコナン作家として完成した感のある、それでいてファン以外にも通用する秀作なんじゃないかな。