このレビューはネタバレを含みます
Vimeoのサイトで無料で観れる、『127時間』をさらに切り詰めたようなワンシチュエーションもの短編。目が覚めたらコンクリート製のカーブの途中に引っかかっていた女が、すべり落ちないように頑張る。それだけ。
「キャンバススニーカーなんて履いてるから…、脱いでグリップ力高めよう?」「角があるじゃん、あそこまでたどり着ければ相当粘れるぞ」「静止摩擦係数の方が大きいんだから、滑り出したら止まらなくない?」とかツッコミ入れてるうちにすぐ観終わった。
途中、同種のカーブ構造が無数に用意されていることが遠景で明らかにされるんだけど、あの構造だと人力ではどうやっても脱出不可能なんで割と興を削がれるのと、女がそれに対してリアクションしないのも、なんだかなって感じ。対面のカーブにつく血の跡が何を仄めかしているのかよくわからないまま雨が降り始めて、ジ・エンド。
シチュエーション以外には女優さんの頑張りしかない映画なので、メインビジュアルとあらすじだけ知って、本編観なくても同じ楽しみ方できると思う。
それ以外に、この映画全体をメタファーと見做して「考察」を行う向きもあるようだけど、あれみてると以前にTwitterで読んだ「ボカロ黎明期にはあらゆる曲で「歌詞が妊娠のメタファー」であるという考察が行われていた」という意地悪な回顧を思い出す。(24/5/17)