ドキュメンタリーは難しい。
素材をそのまま流せば、真実には近くなるけど、大抵は面白くなくなる。そして、内容が浅く見えてしまう。
切り取って適当に繋げれば面白いドキュメンタリーができるかもしれないけど、それだと嘘が混じる可能性も出てくる。
このドキュメンタリーは前者の方、素材だけを提供するだけ。
あとは視聴者側が勝手に考えてください…というタイプ。
フジテレビ系の東海テレビが、自テレビ局内を映した2019年制作のドキュメンタリー。
なかなかチャレンジな企画です。
その東海テレビは当映画内でも触れているけど、「セシウムさん騒動」を起こしたテレビ局。
きっとその反省も込めて作られているのでしょう。
このドキュメンタリーが作られた2019年も今も、テレビ業界は、典型的な斜陽産業で、斜陽の業界の実情を知るという意味では面白かった。
東京しか住んだことない私としては、地方のテレビ局は9割はキー局の放送を流して、あとはニュース映像を少し作っている程度だけだと思っていたけど、意外としっかりテレビ番組を作っていました。
ただ、経営理論的には、広告収入が減っていくなかで、地方のテレビ局がテレビ番組をつくること自体が無駄な行為なのかな…とも思ってしまいました。
テレビ番組自体が無駄…という意味でも、こうした映画づくりはテレビ局にとっても将来を見据えた面白い試みだとは思いました。