アカエリヒレアシシギ

さよならテレビのアカエリヒレアシシギのレビュー・感想・評価

さよならテレビ(2019年製作の映画)
4.0
『乗り遅れたテレビ』

同じ職場で、同じ目標に向かって働いているはずの3人(葛藤するアナウンサー 、新人派遣社員、中途入社の契約社員)を中心に「いまのテレビ」を映すドキュメンタリー。

・「報道」ってなんだろう。
・「報道番組」と「情報番組」ってなんだろう
・番組内容が広告化するのはなんでだろう
・「視聴率」ってそもそも誰のためだろう
・「ドキュメンタリー」ってなんだろう

答えはでないけど、いまの現場に対する限りなく大きな危機感のようなものを感じた。
作品としてはとても面白かったけど、見ていて悲しくもなった。

ドラマやバラエティーのNetflixやAmazonプライムビデオみたく、他のプラットフォームがダイレクト課金「報道」をはじめたら。

そう考えるとテレビの役割って………
このドキュメンタリーを「いまのテレビ」で全国放送できないことが、すべてを物語っているような気がした。
テレビの裏側を、テレビディレクターが映画化したという現実は大きそう。

想像以上の人が同時に同じものをみて、いろいろなことを感じる。この他に類を見ない構造こそが「テレビ」。この中身を「テレビ的」な都合の良いものにするのか、それともネットが当たり前となった時代にもブランドを担保できる革新的な方法を生み出すのか。

これからも人々はテレビメディアに裏切られ続ける。いい意味か、悪い意味か。