武松

ベルリンの壁の武松のネタバレレビュー・内容・結末

ベルリンの壁(2009年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

ストーリーをサマライズするので作品を観てないからは観てからどうぞ。



『妻を亡くし外を歩くと公園で遊んでいる子供たちがいる。ドイツ人の子と移民の子だ。ドイツ人の子は親に移民と遊ぶなと言われる。その後、老人は壁を公園に作り始める。理由は明かさない。

周りは西ドイツと東ドイツにあったベルリンの壁をまた作るのか?と政治的論争が巻き起り、賛成派や反対派が意見を交わし合うが老人は一言も発することはない。最終的には警察が来て壁を壊すように伝えて、自分で壊さないなら我々が壊すと宣言し、翌日警察の手によって壊された。』



この映画の醍醐味は壁を作り出した動機について考えることにあると思う。

何個か思いつくが2つの理由が主にあると思う。
1つ目は、壁がないことでギスギスするくらいなら壁を作ってその中で仲良くしたいという思いがあったと思う。
2つ目は、子どもたちの遊び場を確保してあげる為かと思う。

上の二つがふわっとしていて、的外れかも知れない。しかし結局のところ今作が伝えたかったのは、ただピュアな親切心、愛で行った小さな一個人の行動が、周りに広がるにつれ予想していなかった大きな問題に発展することがある、ということではないだろうか。
ベルリンの壁といえばネガティブなイメージや政治的に強いイメージを持ちである。しかし、老人はそんな政治的な隔たりのメッセージよりもっと手前にある、愛で壁をつくることで、その壁によって引き起こされる波紋がわかりやすく描かれていると思う。今作では、たまたまベルリンに老人が壁を建設したから波紋が広がったのだと思う。
武松

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