つちやです

プロミシング・ヤング・ウーマンのつちやですのレビュー・感想・評価

5.0
https://hm-hm.net/hm/74181

使い古された対立構造では見逃されてきた、あまりに自然で当たり前にはびこる愚かな意識について。正しくあれば楽だから、正論を盾どころか矛にして他人を痛めつけながら、自分だけの正義を遂行することの浅はかさに、いよいよ対峙すべきときがきた。
胸を張って他人を糾弾できる人なんか、この世にいるのだろうか。物語は、周知されつつある価値観についての言及もそこそこに、さらに深層心理にひそむそれぞれの自我や、無意識に植えつけられた悪気のない差別的思考を、あくまで超エンタメ的に描く。届く人には届くし、気付かない人もなんとなく楽しめる、寛容な作品なのだ。